困っていたこと

売上げの半分以上を占める1社に依存する体質から抜け出す必要があった。この1社によって業績が左右されては安定した経営が維持できない。そのためには、新規開拓が急務だったので、従来の営業ではなくネットを活用することにした。

何をしたのか?

今の時代、モノやサービスを購入する時、スマホを片手に情報を探し、比較検討して自分にピッタリな商品やサービスを選ぶ。これが当たり前の時代です。あなたの見込み客である発注先もこれと同じプロセスで加工業者を探します。


「急ぎでこういう部品を作ってくれる工場はないだろうか」
「自社の製品の強度を高めてくれる部品がほしい」


そんな時、まずは、Googleやyahooの検索窓に「金属加工 特急」「金属加工 特注」などのキーワードを入力して調べるでしょう。

そして、画面に表示された、いくつかのタイトルを見て探し求めるものがあれば、そのタイトルをクリックして、画面に現れた情報を閲覧します。それが求めるものでなければ、何度も検索窓に入れるキーワードを変えて、同じ作業を繰り返します。

ごく当たり前のことで気づかないのですが、検索して表示されるタイトルは常に決まった順序で表示されるわけではありません。

そのキーワードで検索された時、自社のホームページのタイトルが、最初に現れた画面の1ページ目になければ、ネット上には存在しないものと同等の扱いといっても過言ではなく、見つけられる可能性は極端に低くなるでしょう。

あなたもネット検索した時、一番上に表示されたタイトル、もしくは、その一画面に表示された中から選んでいるはずです。これを「上位表示される」と言います。
なので、自社を見込み客の発注先に見つけてもらうためには、最初に表示された画面に「上位表示」されなければなりません。

それには、発注先が検索する時に入力したキーワードが、自社のホームページの中の言葉にヒットする必要があります。

そのヒットした回数により、接触頻度が計測されて、このホームページは人気があるようだからと機械学習され、「上位表示される」ことになります。

発注先が困っていること、今すぐに知りたいことなど、そのキーワードを予測して、ホームページの中に、そのキーワードに関連する言葉を、できるだけ多く、あらかじめ潜り込ませておく作業が必要となります。

なぜなら、ネット上には類似するものを扱う会社のホームページが数えきれないくらい存在し、ホームページの内容も似たり寄ったりなので差別化できません。

では、無数にあるライバルよりも、自社のタイトルを検索結果の上位に表示させて、新規の発注先に見つけてもらうためには、どうすればいいのでしょうか?

そこで考えたのが、精密機械加工全般など、他の同業が使うような大雑把な表現ではなく、技術名や製品を分類し、その一つ一つにそれぞれ個別の詳しい説明文を載せました。

そうすることで、発注先が入力したキーワードに合致する可能性が高くなり「上位表示される」回数が多くなって問い合わせが日増しに来るようになりました。

この成果の要因は、まず、検索されるキーワードを予測して細かく分類したこと、掲載した情報が詳しく掘り下げた専門性の高いものとして評価されたこと、そして、同業の中で、どこも、この方法を取り入れていなかったことが大きな差別化を生みました。

そして、ただ待っているだけで、問い合わせや新規の受注につながるようになっています。

飛躍へのヒント

この手法のメリットは、ネット広告と違って無料ですので、金銭的なコストはかかりません。しかし、デメリットとしては時間と労力という間接的コストが膨大に必要です。そして、効果が現れて自社ブランドや知名度が必ず向上するという保証はありません。かけた時間や労力が徒労に終わることだってあり得えます。

ただし、この事例のように、技術名や製品名を分類し、その名称ごとに特化した詳しい情報を、地道にコツコツと記事として情報発信できるなら、実施してみる価値は多分にあるでしょう。なぜなら、この事例がその効果について証明しているからです。それにこのような、地道な努力をしている同業者はほとんどいないので、やったものが勝つという優位性を手に入れることができます。

もしあなたがホームページをお持ちなら、まずは、この方法に挑戦してみてはいかがでしょうか。もし、まだ、ホームページがないのであれば、この方法を取り入れたネット活用を、今すぐに、検討されることをオススメします。