数ある類似商品の中で自社を選んでもらうための差別化の極意
困っていたこと
ご存じのように、BtoB(企業間取引)の場合、見込み客を獲得してから商談に持ち込むまでのハードルが高く競争相手との比較検討をどう勝ち抜くかが営業の最大の課題です。
何をしたのか?

企業間の取引の場合、見込み客と接点を持った後に、お礼を述べたり、課題についてのヒアリングや提案などをメールで送ったりしますが、それを文字情報ではなく、人が語りかける動画を撮影して、その動画をメールに添付して送りました。それが効果を発揮して、商談に持ち込む確率が300%もアップしました。
BtoBの場合、類似商品を扱うライバルが多数存在するので、技術や製品に大きく差をつけるものがない場合は、差別化しにくい面があります。買い手側にすると機能面やコストなどの条件が、似たり寄ったりだと「どれがウチの条件にフィットすんだろう」という決め手に欠けるので、確信をもって選べないことが往々にしてあります。
大差のない類似商品を比較検討して選択に困る場合、何を重視するかといえば、結局のところ、会社であっても取引相手は人なので「何を買うか」よりも「誰から買うか」の要素が強くなる傾向があります。もちろん加工技術や製品の良し悪しは重要です。でも、この場合、何を考慮して決定するかといえば、比較対象のモノではなく、それを提案してくれている営業マンや担当者、すなわち、その人としての信用が決め手になることが意外とあります。
たとえば、自分が買い手になったときのことを思い出してほしいのですが、商品の優れた特徴や使い勝手の良さなどの説明を受けている時、その説明員の話し方が言いくるめるような売込みだったり、横柄な態度とかだったら、たとえ、その商品を気に入っていても、断ることがあったりしませんか?この逆で、仕事に対する熱意や真摯な人柄が見えて、とても感じが良かったら、その商品に多少の不満があっても、思わず買ってしまうなんてことがあるかもしれません。
なので、動画は、人柄や印象が表現できるので信頼感や説得力が増すことは確かです。ただ、これはメリットでもあり、デメリットでもあります。なぜかというと、動画はその人のありのままを表現します。だから、「この人なら信用できそうだ」という好感を生むか、逆に嫌悪感を抱かれるかは、動画で表現されるその人となりで決まるからです。ですが、ビジネスは人と人の結びつきによって形成されるものなので、それを効果的に表現できるツールとしては、動画以外にはないでしょう。
飛躍へのヒント

もしあなたの会社に、営業マンと呼べる人材がいなくても、社長のあなたや技術者の方が自社のアピールポイントや製品の良さ、技術のすばらしさや仕事に対する熱意などをありのままに動画で語れば、その姿こそ、強みであり、差別化できる本当の価値を生むことになります。人としての好感度が上がれば、信頼されることになり、無理な値引きに応じることもなく、継続した取引に発展する可能性が大いに期待できるでしょう。
動画の撮影自体は、スマートフォンで十分可能です。ただし、顔出しや話す内容のシナリオづくりやスマートフォンのカメラに向かって話すことに抵抗がある場合は実践するのに躊躇するかもしれません。
その場合は、日頃のあなたの仕事ぶりや真剣な眼差しでモノづくりに向き合う姿、社員同士がお互いをサポートし合う様子など、職場の自然な息遣いが伝わる動画の撮影なら、あらたまって意識せず、カメラに向かうこともなく、自社をアピールすることも可能です。
もしあなたが、自社の技術や製品に他の追随を許さぬ自信と誇りをお持ちなら、安易な価格競争や無理難題を押し付けられる条件などに振り回されることなく、自社の強みを余すことなく伝えられる「動画という武器」で、競合との差別化を図り、安定した経営を手に入れるための突破口にしてください。